海の子ども

 海の子ども−海に深化する

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文/emiko

場所取り

 珊瑚礁は美しく静かに水中にそびえ立っているように見えますが、実は戦いの日々を送っているのです。珊瑚は日の光を浴びないと生きてはいけないので、珊瑚が群生する場所では、お互いが自分の場所を取るために場所取り合戦をしているのです。また、ただ場所を取るだけではなく、自分たちが繁栄するために(大きくなるために)他の珊瑚に攻撃をしています。ある珊瑚Aが珊瑚Bの上に覆い被さると、下になった珊瑚Bは太陽の光りが浴びられずに死んでしまいます。だから、珊瑚Bはただじーっと覆い被さられるのを待って、我慢しているわけにはいきません。触手を出して相手のポリプを焼き払ったりして自分の場所を確保し、種の生き残りにかけるのです。静かで美しい世界にも、生き残るための熾烈な戦いの毎日があるのです。

オニヒトデ

 かなり前から沖縄の海でオニヒトデが異常繁殖しているという話は聞いていましたが、実際に自分の目で見るまでは、どのぐらいの異常繁殖か認識していませんでした。以前、慶良間に潜りに行った時に見たオニヒトデの数は尋常では無かったですね。ガイド中でもオニヒトデを見つけたガイドさんは、オニヒトデの内臓部分を棒で叩いて潰して駆除されていました。オニヒトデは裂いても死なないので、内臓部分を叩き砕かないといけないとか。オニヒトデにしてみれば可哀想な話ですが、沖縄の海を守るためにはしょうがないのでしょう。おきてしまったことは、なんとか食い止めなければいけませんから。オニヒトデの繁殖は地球温暖化、海の水質汚染が原因と言われています。やはり人間の影響が大きいようです。繁殖したオニヒトデが珊瑚を全滅させてしまったら、もうそこには色とりどりの魚たちは住めなくなってしまい、私たちは恵み溢れる海を失うことになるのです。

見渡す限り…

 奄美諸島にダイビングをしに行った時に目にしたもの。船着場に泳ぐハリセンボン、ビーチにもハリセンボン、もちろん各沖のポイントにもハリセンボン。この時期ちょうどハリセンボンが異常繁殖していたらしく、目の前を横切っていくのはハリセンボン、ハリセンボン、ハリセンボン。愛らしくて可愛らしい魚だけに、かなり異常なんだけど、その集団自体がちょっと笑いを誘う光景でもありました。でも、自然界に突然起こった異常繁殖ならどうしようもないけれど、人間がその原因に関係していたら…と思うと心痛む出来事ですね。ある種の異常繁殖による生態系の破壊は様々な問題を引き起こします。起こってからでは人間の力では手の施し様がありませんから、日頃から自分の行動には責任を持ちたいものです。
 ちなみに、ハリセンボンは調理するのが大変(皮を剥ぐのにペンチを使わないと剥げない程固い)だけど、美味しいらしいですよ。

宝捜し

 西表島に潜りに行った時に、とっても小さいイザリウオの赤ちゃんを探すダイビングをする機会がありました。ガイドさんの話を聞くところによると、小指の爪ほどの大きさもないぐらい小さな赤ちゃんだとか。マクロ好きな私はマクロ好きなバディーと共に、懸命に砂地を探しました。砂地には赤ちゃんたちが隠れ場所にしている小指の爪ぐらいの海藻が一面に生えています。あてもなくその海藻の間を覗きながら探すこと数十分・・・。いました!バディーが見つけてくれました。本当に小指の爪ぐらいの大きさのイザリウオの赤ちゃん。足を踏ん張り、海藻に張り付き、一生懸命生きていました。感激!!!この1ダイブを全て捧げても良いぐらいの可愛らしさ。砂地に張り付いて動くこともできないぐらい!とってもとっても大好きになりました。小さな小さな赤ちゃん探しは、まるで宝捜しのようでした。

クリーニング

 魚をクリーニングする魚やエビがいるのを知っていますか?そのエビのいる穴にそーっと手を入れると、魚にしていたように私の手にそっと飛び乗ってきて、クリーニングを始めます。一心不乱にクリーニングをしてくれるのですが、こちょこちょこちょっとこしょばいので耐えなければいけません。(笑)小さな半透明の可愛らしいエビが手の上に乗ってくれるので嬉しいのですが、反面、そんなにクリーニングできるぐらい汚れているのか?と、複雑な心境にもなりますねぇ。

ニシキテグリの求愛

 夕方、だいぶ周りが薄暗くなってきだした日没直後頃、珊瑚の中からペアで出てきて、水面に向かって泳いで行きます。ヒュルヒュルッと上がっていって、さーっと戻ってくる。まるでダンスでも踊っているみたい。ニシキテグリの求愛行動。確か慶良間で見たのだったかしら?初めて見たニシキテグリと、その求愛ダンスに見入ったのは覚えているのですが、そちらの印象が強すぎて何処の海で見たのかがはっきりと思い出せません。(笑) 夕暮れの静かになった海の中で、安全な珊瑚の家からペアで寄り添って水面に向って登っていって、何を語り合っているのでしょうか?心を一つにしてるのかな?静かだけど、とっても微笑ましい求愛ダンスです。

偽目の効果

 カニハゼを見たことがありますか?このハゼは外敵を欺くために、背ビレに大きな目の模様を2つつけています。私から見たらどう見たってカニハゼはハゼ以外の何者でもなくハゼ。本当に偽れるのか〜?と常々疑問に思いながらも、可愛い姿をカメラに収めていました。ある時、実家の母に水中写真を見せていたらこんなことを言ったのです。「このカニは何てカニ?」カニの写真があったかなぁ?と思いつつ、母の指さす写真を見るとカニハゼの写真ではないですか!何を言ってるのかと思い、「カニじゃないよ、ハゼだよ。」と言ったら「違うよ、このカニだよ。カニ」とまだ言います。「これが目でしょ、…」母が指さした目は、背ビレについた偽目模様…。どうやらやはり、立派に偽れる目模様のようですね。

ナポレオン“メリッサ”

 随分と前ですが、パラオのブルーコーナーで“メリッサ”という名前のナポレオンに出会ったことがあります。とても人に馴れていて、特にあるパラオ人ガイドさんには、まるで飼い犬が飼主にじゃれるように甘えていました。う〜ん、羨ましい。中でも一番ビックリしたのが、そのガイドさんがメリッサの口の中に手を入れたことでした。メリッサは甘えるような顔をして口を大きく開けて気持ち良さそうにしています。信じられない光景でした。メリッサは私たちにもたまには身体を触らせてくれますが、それでもある程度の距離を保ちながら側を泳いでいます。私たちが他の魚に夢中になったりすると、真後ろから強い視線を送ってきます。ふと視線に気付いて振り返ると「遊んでぇぇぇ」と近づいてきます。カメラを構えても、近づき過ぎるのでいつもフレームアウト。本当に可愛すぎ!魚にも人間のような心があるのかも?と思える光景でした。

珊瑚の間に…

 慶良間の海で潜った時、水中にはとても立派な珊瑚がたくさんあったのですが、その中の一つにとても枝が入り組んだ大きな塊の珊瑚がありました。外から珊瑚の間に入ろうとしても小さな魚しか無理なぐらい入り組んでいます。初めは気付かなかったけれどその珊瑚の中をよく見てみると、なぜかとても大きなイザリウオが「デン」と居座っているではありませんか!どうやって入ったんだろう?もしや小さい時に中に入って、そこで珊瑚の中に入ってくる小魚を食べて大きく育って出られなくなっちゃったんだろうか?とても不思議だけど、ちょっと笑っちゃうような光景でした。今でも元気にしているかな?

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